一台のモーターサイクルを前に、思わず見入ってしまう。
張りつめた輪郭、素材の表情、そして細部まで丁寧につくり込まれた車体。bimota KB998 Riminiには、視線を引きつけ、その理由をもっと知りたくなる魅力があります。
車名に添えられた「Rimini」は、アドリア海に面する街、リミニの名。bimotaのものづくりが息づくこの街で生まれた一台には、サーキットで速さを追い求める情熱が込められています。
コーナーを駆け抜ける姿と、走行を終えたライダーが語る走りの印象。そこから見えてくるのは、美しい造形を支える設計と、ライダーの感覚を大切にする開発姿勢です。
しなりと剛性を、緻密に整える。
フレームビルダーとして独自の車体設計を追求してきたbimota。エンジンの力をどう受け止め、ライダーの意志をどう走りへとつなげるか。その技術と経験が、このシャシーに注がれています。骨格を構成するのは、クロムモリブデン鋼の長円断面トレリスフレームと、アルミニウム削り出しのピボットプレート。異なる素材の特性を生かし、求める剛性としなりをつくり出す構造です。映像の中でライダーが評価しているのも、そのバランス。リアに過大な負担をかけず、タイヤの状態が変化しても、周回を重ねても、良好なフィーリングが続く。精確に応答しながら、扱いやすさも備えていると語っています。開発側が目指すのは、前後輪の状態をライダーが感じ取れる剛性の設定です。路面からの情報を、操るための確かな手応えへ。bimotaの設計思想は、ライダーと車体のつながりにも表れています。
手応えが、信頼に変わる。「本当にこれが市販車なのか」
標準仕様でありながら、レーシングマシンに近いフィーリングを備えている。その完成度に、ライダーも驚きを隠しません。ドライだけでなく、ウェットでの走りも高く評価しています。車体の挙動を感じ取れることは、マシンへの信頼につながります。その信頼が、ブレーキングから旋回、加速へと続く操作を支え、自らの意志で走りを組み立てる余裕を生むのでしょう。性能を引き出すほどに、操る歓びも深まっていく。速さと感性を結びつける、bimotaらしい仕上がりです。
機能とともに磨かれる、造形。
ドライカーボンの外装と、精緻に削り出されたアルミニウム部品。素材の特性を生かし、その表情まで美しく仕上げるところに、bimotaのこだわりがあります。外装は、軽さや強さに加え、サーキットでの空力性能を追求したもの。スイングアームやサスペンションまわりの削り出し部品にも、機能に根ざした造形の魅力が宿ります。近づくほどに見えてくる加工の細やかさや、部品同士の調和。リミニで手作業によって組み立てられるこの一台には、設計をかたちにする技術と、仕上がりへの美意識が注がれています。走るためにつくり込まれた構造を、眺めることでも愉しめる。それもまた、bimotaを所有する歓びのひとつです。
レーシングへの情熱を、一台に。
Kawasaki Ninja ZX-10RRを基盤とする998ccの水冷4気筒エンジンと、bimota独自の車体設計。両者の技術が出会い、スーパーバイク世界選手権への挑戦とともに生まれたKB998 Rimini。
コーナーへの進入から旋回、そして加速へ。流れるように走る姿を追うと、ひとつひとつの部品が、この走りのためにあることを感じさせます。
静止した姿に惹かれ、走る姿に納得する。
その美しさを、自らの手で確かめたくなるモーターサイクルです。
